「魔族の英雄」short story お気に入り画像登録
「魔族の英雄」short story

登録 タグ *code:Y *【片目を前髪で隠す男】 *shortstory *【黒鉄色】 *作業工程を愉しませてもらっている *髪の描写細かい!カッコイイです
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投稿日時
2013-07-20 04:10:29

投稿者
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金環

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投稿者コメント
※SS修正。
 タグコメありがとうございます! 感謝と土下座して謝罪したい感が半端ない!
 わーもっときちんと描けば良かった……!

※SS注意。 うあー…一晩経ったら塗り直したいところがぼろぼろと……













 ……つくづく君は不思議な男だよ。

 共に旅をするようになってから今までの間、
 私は常に君の破天荒な行動に振り回されてばかりだったように思うよ。

 出会いからして大胆不敵で、本来ならばあの場に魔族である君が居られる訳がないのに、
 どうやってか肌の色をそこらの人族のように変えて潜り込んでいたよね。

 君は、まるで君のためのだけの舞台だとでも言うように、誰より衆目を集めていた。
 知りあう前にそこで同席していた私も、一応それなりの地位に居たんだけどね。
 正直霞んでたよね。

 ……え?
 いや、怒ってなどいないよ。
 そんなことくらいで私が怒る訳ないじゃないか、ねえ?


 そうそう。
 そう言えば、仲間を庇って捕まった君を奪還するために、奴らの根城に向かった時のことだけれど。

 私たちが到着したときには、そこはもう既に阿鼻叫喚の火の海だったね。
 果たしてそこには魔封鎖で左腕が繋がれたまま、
 血まみれの右腕一本で魔力無双をしていた君が居た訳だけれども。

 魔封鎖で両腕を天井に繋がれていたから右腕の鎖を、腕の根元から切り落とさせて外す、
 なんて常人の考えることじゃないよ。

 え?
 いやいや魔力でくっつけられるとかそういう問題じゃないよね?
 違うよね?

 それに君、きちんと腕くっつけないまま魔術連発してたものだから、
 私たちが君の元に辿り着いた時には、また半分千切れかかってたじゃないか。

 あの子がそれで卒倒しそうになっていたよね。
 ねえ忘れたの?
 あの子をあれだけ泣かせたのにまさか忘れたなんていわないよね?

 そう。
 覚えているならいいよ。
 君は忘れていないって私は信じてたよ、ふふ。



 ……色々なことがあったよね。


 出会いから今まで、

 ずっと戦ってきた君だから、



 ……そろそろ一休みしても


 いいとおもうんだ。



 誰が許さなくても、この国の王である私が赦すよ。

 魔族解放の立役者で、

 大陸戦争を終結させた英雄の、

 その肩の荷を下ろしても良いと。




 だから、ゆっくりと、おやすみ。










****

下絵鉛筆入れた後に筆入れると下に鉛筆線が残ってイヤンな感じになるから、直に筆で描きたいなー

でも筆入れからいきなりだと致命的な失敗したときにフォロー出来ないんだよなーめんどいなー

…あ、下絵を薄墨で描けば良いのかも?

ということで。
いつもの筆ペンの薄墨で何となく雰囲気描いて、途中でめんどくなり結局黒で描いたけれど、
このやり方は失敗が少なくなりそうで良い感じ?

髪の毛はめんどいので百円の軟筆黒筆ペンでざかざか色塗り。 ぶっちゃけムラでキタナイ!
ので、その上から色鉛筆白、いつもの筆ペン銀、黒、と重ねまくり。
目はいつもの黒と、色味は唯一の水彩筆ペン紅。 実は目の大きさが最初の予定より三分の一位大きくなってたり……!(爆

肌は薄墨重ねて黒混ぜていろいろとごまかし!
顔と額に指紋ついたから謎紋描いてごまかし!
最後にまた色鉛筆の白でいろいろとごまかし!

誤魔化してないところがないって言う……!!

ごまかせてない…って言うか最初はふつうの人間描くつもりだったなんてこと……ないよ?(震え声


描いてるの見てた某人に、途中でスイッチ入ったみたいに適当な塗り方になるよね、と突っ込まれました。
集中力切れて疲れるからです。 めんどくなるからです。


描き上がったのを見た某人に

「よ! 青年誌!!」

とにやにやdisられました。
うるさいわーこう言う絵柄も描かないと忘れるんじゃー。 ぶっちゃけめっさ忘れてる……(汗

この血反吐後SSを読んだらまた何か言われるんだろうなーそれにしても何でこうなったんだろう……

最初、絵を描き上げた時には
「左腕を鎖で拘束された魔族の男」
のイメージだったんだけどな。

いつも通り(画像投稿画面でその場でSS考えてるので)行きば投げぱジャーマンに作ってたけど、SS最初は、

「お貴族様が絵の魔族の兄さんと旅の途中に今までの回想してる」

みたいなほのぼの?な感じだったはずなのに、途中から、

「アレ? ……なんか魔族が墓に入って、る?」

みたいな雰囲気に……(とおいめ





まあでも、それじゃあなんなので。

ちなみに、下の人はヤンじゃないです。


****










「おいてめえ!」

 勢いよく扉が開かれると共に朝から元気な怒鳴り声が室内に響き渡った。
 声の主はつい最近まで寝台の住人だったのだが、すっかり回復したらしい。

「やあお早う」

 私は食事の手を休めてにこりと笑顔で挨拶を返した。
 これをやれば大抵の老若男女はうっとりしてくれるんだけど、長い付き合いの彼にはやっぱり効かない。

「おはよう、じゃねえ!
 てめえ、俺が寝込んでる間に将軍職解任ってどういうこった!!」

 結構ばれずに持ったなあ、賭けは私とあの子の二人勝ちかな、と結果にほくそ笑みつつも、

「だって君、働きすぎだよ」

 澄まして彼に告げてやった。

「王宮に全く帰ってこないじゃないか。
 あの子もずっとけな気に君の帰りを待ってるって言うのに」

 そう言えば彼も強くは出られない。
 あの子を淋しくさせている自覚は十分にあるだろうし、何よりあの子に特別甘いからね。
 だけどそれでも、彼にと提示された次の職には我慢できないらしい。

「だからって指南役ってなんだ!
 そんなもん日和見の爺さんの仕事だろうが!」


「ええーそういうこと言うのかい?
 後継の育成も大事な仕事だよ」

 私は彼に改めて向き直って、ここが彼を説き伏せる最大の正念場だ、と内心で気合を入れて、
 その重要性をこんこんと説いた。

 大陸戦争は一応の終結を見せ、周辺一帯の列強国とは停戦条約も結んだ。
 今はね、停戦条約締結したばかりだし、どこの国も疲弊した自国の安定に力を注ぐので精いっぱいだろう。
 けれど、将来は分からない。

 我が国でも夥しい数の国民と兵がこの戦争で死に、そして熟練の兵ほど最前線で死んでいった。
 ……それは君の方がよく知っていることだね。

 今の若い兵たちでは十年、いや数年先の防衛には正直、心許ないんだ。
 君が国境を回るのも十分な牽制になっているし大事なのは分かっているよ。

 でも今は我が国に攻め入る国力のある国はないだろう。
 戦争前は兵士でなく、密偵が本領発揮するものだよ。

 もちろん、私はもう戦争を起こさせる気はない。 わが国ではね。

 ……それでも逆らえぬ時流というものがある。

 だから、その時のために君には一から兵たちを鍛え直してほしいんだ。

 君が働きすぎっていう心配ももちろんしているけれど、それだけじゃないんだ。
 未熟な兵士を一から教え込み精鋭に育て上げるのは中々骨の折れる仕事だと思うよ。

 それに指南役とはいえ、国内の緊急時には君に指揮をお願いすることもあるから。

「……それで納得してくれないかな?」

 彼に聞けば、眉根を寄せて不満があるのは隠さなかったけれど、こちらの訴えに理があると思ったらしい。

「……本当に緊急時には俺に指揮をとらせるんだろうな?」

 それを後任の将軍は納得しているのか、と唸りながらも、念を押してきた。
 この私が根回ししたことなのに、ずいぶんと信用がないものだよね、と思いつつも、
 後任は彼の下でずっと働いてきた者なので問題ない。
 寧ろ、彼の後釜など恐れ多いと辞退されそうになったくらいだ。
 後任の将軍の名前に、彼も可愛がっている部下の名を出せば納得したように頷いた。

「頼りにしているよ」

 そう笑顔で確約した私に、ふんと鼻を鳴らすとどっかりと椅子に腰を下ろした。

「朝食は取ったかい?」

「いやまだだ」

「じゃあたまには一緒にどうだい」

「まあ美味いもん出すからな、ここは」

 私の誘いに彼がそう答えたそばから彼の分の朝食が用意された。

「相変わらず仕事に無駄のねえやつだな」

 用意を整えた侍従長に満面の笑顔を見せた彼に

「おほめ頂き恐縮でございます」

 侍従長も控えめな微笑みを見せた。




 そう、暫くは私たちのいるここで、君が死ぬような目にあわないと安心させてくれればいい。


 もう、それだけでいいんだ。






 
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